一息つきました(汗)。
本番ともいえる24日夜、つまり昨夜はペットに費やしていました。
まぁ、せめてもの義理と言うことです(笑)。
何処行きたい?
何食べたい?
家がいい。
ごしゅじんさまの手料理が食べたい。
こういう可愛いリクエストは、楽な様で案外しんどいです(汗)。
プロの手にもてなしを委託したほうが気は易いですからねぇ。
Zoikhemの部屋が作業途中のレジュメや資料、そして買ったばかりで未整理の楽器機材などで占拠されている現状を省みて、Zoikhemが食材を背負ってノコノコとペットの部屋を訪問したのは24日の午後五時。
ペットの帰宅は六時過ぎとか。
下準備に使える時間が非常に限られていた所為もあってメニューはシンプル。
前菜系をボチボチと、此れだけは豪華にケーキ(大好きな一押しパティスリー特製!)と、そして鶏。
酒はペットのコレクションから強奪です(笑)。
鶏。
ローストチキンは面倒くさい&食い飽きた、と言うこともあって今夜は香草焼き。
ペットが活けている、この季節なのに妙に元気なハーブの存在を予め確認していましたから、最初から狙い撃ちで決めていました。
作り方にもよるでしょうが、Zoikhem流は非常に短時間で完成できます(マリネの時間は除いて)。
オーブンを使いませんから。
寒風に耐える緑に感謝しつつも、サクサクと収穫。
購入済みのイタリアンパセリやローリエと併せて、充分な賑わい、そして芳香です。
さて、主役の鶏です。
今回、せめてもの趣向で、ある実験をしてみました。
全く同じ料理法、味付けで、銘柄の違う(そして勿論値段も違う)鶏肉を調理してみよう、と。
鶏肉に限らず『値段の違う、でも同じ食材』を同時に扱う事って滅多に無いじゃないですか?
家でも、店でも。
部位ごとの差などを堪能できる事は多くても、基本的には同じ種類で同じ部位の食材を複数同時に食べる機会って案外無いなと、Zoikhemはそう思うわけです。
単独で食って
『美味い!、やっぱ違うな』
と知たり顔にさせてくれる所謂『銘柄食材』は、値段も其れなりなわけですが、値段が其れなりでは無い『非銘柄食材』と並べって食っても矢張り『別格』なのか、を検証してみたいな、と思ったわけです。
今回エントリーして頂いたのは、三大地鶏の一つに数えられる
『名古屋コーチン』
更に最近何かと話題の
『宮崎地鶏』
Zoikhemが馴染みの焼き鳥屋で扱っている
『鳥取大山鶏』
スーパーで
『国産鶏・若とり(高原鶏)』
と表記されていた鶏肉(一応生産者ブランドも表記してありましたが地鶏では無い様子)。
業者向けの店で購入してきた
『ブラジル産』
全て腿肉です。
卑しいですが百グラムあたりの値段で言うなら、
『名古屋コーチン:宮崎地鶏:鳥取大山鶏:国産鶏・若とり:ブラジル産』
↓(国産鶏・若とりを『1』と設定)
『4:2:1.7:1:0.4』
ブラジル産と名古屋コーチンでは実に10倍の差です。
コーチンと大山鶏、国産若どり(高原鶏)は同じ小売店で購入しましたが、宮崎鶏とブラジル産はそれぞれ別の店です。
此れは付記しておかねばならないでしょう。
そういう意味では値段の評価にはあまり意味がありません(それでもコーチンの高価さとブラジル産のずば抜けた安さには比べる意味があるとは思いますけども)。
味付けの条件を同じにするため、まず最初に『合わせ調味料』的なものを作って、其れで公平に味付けをしました。
各代表選手に(笑)。
ただし、ペットの部屋のキッチンはガスが三小口で、其の内一つはスープ用に占拠されていましたから鶏肉に廻したのは二つ。
ソテーパンに二種類ずつの鶏肉を置かずには同時に調理できない、と言うことになってしまいました。
同時に完成させて同時に食べる、と言うことを大前提にしたかったので、二回に分けてという方法論は採用できなかったのです(汗)。
そのため『油や肉汁』が交じり合うという、見逃せない要素が出来てしまいましたが、あえて目を瞑りました。
まぁ、ホイルで一応はパーテーションを作りましたけども…。
調理方法は最初にも書きましたが、実にシンプル。
各ハーブのみじん切りと、岩塩、ブラックペッパー、チリパウダー、ガーリック、そして『片栗粉』を適量混ぜて鶏肉にまぶし、其々をラップでくるんで冷蔵庫で小一時間。
たっぷりのオリーブ油withガーリックで、塊のまま揚げつつ焼く、という寸法です。
片栗粉が入る所為で、リトル竜田揚げ(笑)。
好みでパルミジャーノを最後に一振り。
で、ペットと二人して実験成果を食しました。
他の選手との違いを最も明らかに主張したのが名古屋コーチンさん。
違いは歯ごたえ。
ブリンブリンとした、心地よい筋肉感。
油の香りも良好です。
実に美味い。
斯様な料理法では一歩抜き出た存在感を放ちます。
違う意味で主張が激しかったのがブラジルさん。
うーん。
歯ごたえは弱く肉の味も薄いです。
香りもハーブに全く抵抗できていません。
不味いとまでは思いませんが、他の選手を前にすると流石に厳しい。
で、残りの三種。
大山さんに宮崎さんに国産若どり(高原鶏)さんは、それぞれ多少の傾向の違いはあるものの、どれも美味いんですねぇ。
名古屋コーチンほどの過激な歯ごたえはなく、寧ろ良い意味で上品。
ペットは『コーチンさんが男肉なら、この子達は女肉』と評しておりましたが、Zoikhemも其の評価に賛成です。
ナイフを入れた際の香りは、宮崎さんが一番芳醇であったように思えます(コーチンと比べても)。
大山さんも実にジューシーで、例えばご飯と一緒に食べるなら一番ではないかとも感じます。
で今回の実験結果で特筆すべきは、値段的にはかなりお安い国産若どり(高原鶏)さんも、決した負けておらず十分に美味しかった、と言うことなんですねぇ。
何ら不満が出る味では御座いません。
個性という意味では、例えばコーチンさん辺りには劣りますが、其れは安定した美味さを保証していると言うことでもありますしね。
香草焼きのような焼き物であれば、名古屋コーチンの歯ごたえは突出した魅力に思えます。
が、鍋や煮物や揚げ物となれば、其の評価順位もおのずと変わってくるでしょう。
勿論、料理法だけでなく、鶏の個体差によっても其の味向きは異なるでしょうし、今回の実験が全体的な傾向を表したものである、などとは到底言えません。
ただ、一つ言えるのは。
実に美味しかった。
其々に(一寸残念なブラジルさんを除いて)。
と言うことです。
個人的には無銘柄の国産鶏が奮戦したのが嬉しかったですねぇ。
銘柄さんたちが、それぞれ名前に恥じない味を表現する一方、市井の無名人も負けずに存在を主張しておられましたから。
草の根の意地というか(笑)。
今度は牛肉とかでしてみようっと。
養鶏家の方々に感謝を捧げつつ、
MerryXmas!
夕日間近の尻
今回は特に解説は御座いません。
仕舞
Zoikhem