2006/Dec/2 Sat | Zoikhemの必修
クリムゾンキングの宮殿には
足が折られたダビデ像と、ゲルニカ、そしてフロイドの豚があるのです。
って、もう何百のBlogとか何やらで書かれたネタなのだろうなぁ(汗)。
でも書いちゃいました。
映画『トゥモロー・ワールド』の感想です。
今頃観ました(汗)。
で、これが傑作傑作、本当に傑作。
公開が終了するまでに、もう一回くらいは行かないと後悔しそうです。
公開で後悔、うむ(笑)。
アメリカ/イギリスの共同制作のようですが、イギリスの人間がより多く関わっているのでしょうか。
舞台がイギリスだから、では無くて、イギリス映画らしい独特の虚無感、殺伐さが素晴らしすぎます。
判る方には判って頂けますかねぇ、このニュアンス(汗)。
Zoikhemが今までに見た無数の『虚構世紀末』の中でも、其の『無力に侵食された世界の終末観』の表現の巧みさは白眉であると思います。
画像的見所である『八分間の戦闘シーン長回し』も迫力十分です。
革命的とすらいえます。
映画の種類はぜんぜん違いますが「トムヤムクン」の長回しを思い出してしまいました(汗)。
広義での人間力爆発!という意味では同じかも(笑)。
鋭すぎる暴力描写。
リアルに軽過ぎる人の尊厳。
そんな描写を徹底したからこその『一声の泣き声』が呼び起こす、ほんの些細な『空音』には重みが産まれます。
Zoikhemの涙腺も緩む訳です(涙)。
さらに最初から最後まで徹底しきった「主人公の主観限定」の情報公開も、作品の説得力に大きく影響しているように思えます。
件の『長回しシーン』の完成度の高さも、情報の限定があってこそだとすら感じましたからねぇ。
『終わり方』も、物語の根幹が主人公の主観で構成され切っているお陰で、あれ以上の、そしてあれ以降の終わりも無いのだと感じられますし。
ネタバレ無しでは、この辺りが限界かな(汗)。
まぁ、是非観て下さいって事です(笑)。
しかし、ばっさり否定系のレビューで散見される
「子供の生まれないというだけで、世界が壊れていく意味がわからない」
といった意見、ましてや
「現在の世界の不幸の根源は人口爆発に有るわけで、新生児が減れば人口も減り、因って世界はもっと幸せになるはずだから、この映画には説得力を感じない」
といった様な考え方には、正直申し上げて『恐怖』すら感じます。
本当に、そういった方々は『生きているのか』とすら。
作中人物も言っていましたけども。
こういう感じ方をする人間が増えていること自体が『種としての限界』を示しているのかも知れませんねぇ…。
個の幸福と、種の幸福、連結を感じられない生き物は哀れです。
こんな事を書くと『しち面倒くさい映画』のように思われてしまうかも知れませんが、そんなことは御座いません。
物語そのものは非常に簡明ですし、視覚効果的な単純なうインパクトも絶大です。
繰り返しになりますが、お暇な方は是非とも、です(笑)。
Zoikhemが今年映画館で観た60以上の作品の中でも五指には完全に入ります。
エポックメイキングという意味では、一番かもしれません。
最後に。
この映画、予告編など事前情報は、意識的なのかどうか知りませんが、非常に嘘つきです。
作品の質とは全く異なる先導をしています。
だからこその『引きの驚き』を狙っているとしたら大したものですけども(笑)。
本当に最後に。
今回の駄文を書くに当たってピンクフロイドの現状をさくっと調べていたら、シド・バレットの訃報に行き当たりました。
結局、ダイヤモンドには輝きが戻らないまま、ですか…。
それも、らしいかも、ですね…。
今更ですが、ご冥福をお祈りいたします。
でも、Zoikhemはデイブ・ギルモアのギターが大好きです(汗)。
正座
公開は来年以降です。
お見逃し無く(笑)。
仕舞
Zoikhem
Comments
ダイ | 2006/Dec/3 10:36
え〜と、一日遅れで会員ギャラリー見ました。
ジャクジー良いですね、あの水着もしっかり活躍してますし。
撮影をしていたという、先客が誰なのか判ったら、こっそり教えて欲しいと思っていたりします(笑)。
Zoikhem | 2006/Dec/4 20:37
>ダイ様
其れがZoikhemにも判らないのです。
5、6人のスタッフを連れて撮影していましたから、プロであることは間違いないと思うのですが、それほど成功に近そうなルックスには見えませんでした(汗)。
正直すぎる意見ですけども。
実は、此れで二度目です。
プロの撮影隊に行き会うの。