2007/Nov/2 Fri | Zoikhemの必修
夢幻紳士・怪奇篇
が文庫で出ている事に今更ながらに気が付いて、脊髄反射的に手に取りレジに急いだ今日の午後。
皆様に於かれましては如何お過ごしでしょうか(笑)?
くそう、何でイメージが無いんじゃい。
非常に素敵な表紙なのに。
Zoikhemは最初期のA5サイズ版を持っているのですが、其れは現在実家ということもあり、また生来のマニア気質もあり、迷わずダブりを選んだ次第で御座います。
それで無くとも書下ろしが入っていますしね!
作者の高橋葉介氏が、数少ない『まごうことなき天才作家』である事は、彼の作品を良く知っておられる方であるならば、完全に単純に自明で説明の必要は無いのですが、ご存じない大多数の方の為に独りよがりに説明させて頂きます(汗)。
ただ、氏の作品、そして作風は非常に多岐にわたるため、今回は
『夢幻紳士』
特に怪奇篇に関してだけを転がさした駄弁で御座います。
エロス。
グロテスク。
怪奇趣味。
耽美傾向。
内臓と血の美学。
酒と紫煙とカフェーの女中。
そういった或る種『判り易い作風』とも言えます、が『夢幻紳士・怪奇篇』が凡百の『其れ系マンガ』と大きく其の印象を異にするのは、そういったエログロ絵画を織り成す『糸の成分』です。
縦糸は人の悲しみ。
横糸は人の優しさ。
彩糸を操る織機は、人の業。
残酷趣味も、血の宴も、儚く散る命も、ただ其れだけでは人の心を深く動かすなど出来はしません。
人の心を動かすのは、其の基底に『人の想い』を見たときです。
そしてZoikhemは、この短編集に様々な形の人の想いを見、そして涙してしまいます。
今日、初めて読んだChoyeも涙しておりました。
特に収録されている一作品『老夫婦』にはChoyeは辺り憚らず号泣です(学校近くのカフェなのに)。
Zoikhemなどは今までに何度読んだか判りませんが、今でも読むごとに、そして呆れる事に思い出すたびごとに涙腺の制御に苦労してしまいます(汗)。
『昔、魔法使いが悪戯をして、
ある男の妻を鶏に変えた
男は妻をもとにもどしてくれと
頼んだが、聞き入れられなかった。
そこで男は魔法使いに
いった。
「私も鶏にしてください」
−−−−−−二羽は仲良く暮らした』(古いお伽噺から)
表紙だけ、から導入文章だけ、ですけども。
泉鏡花や夢野久作、そしてもちろん江戸川乱歩。
そういった作家達の作品に深く傾倒される方であれば、この作品を手に取らないことは生涯の大損になります。
古本屋でたまに見かける旧版でも全然構いませんので、一度手にとってみられる事を強く推薦する次第です。
そして、心を鷲掴みにされた方は平成版の三部作『幻想篇』『逢魔篇』『迷宮篇』などに手を伸ばされても良いかと思います。
…いうまでも無く傑作ぞろいです。
それにしても実に美しい表紙だ…。
Amazonが表紙を載せていないのは如何なる陰謀の所産なのか。
ということで、画像をば例外的に。
どうです?
美しくないですか?
全開更新から制服少女
此れも多少は怪奇趣味、ということで(笑)。
女怪。
仕舞
Zoikhem
Comments
牛蒡 | 2007/Nov/2 09:50
探してみます。
HPで言うと
【ザイーガ】【X51 org archives】みたいな匂いですか?
氏のアシスタントの1人に田島昭宇さんが居たとは。
永井先生のV・Jの新作?も目が離せません。
本来、セーラー服は新品では幾ら位するものでしようか。
撮影用ならばブルマや水着なども
大人の店のナンチャッテ衣装の方が安価ですかね?
新品は高いと思われますし。
オークション、中古品では雰囲気は◎ですが人が着用したのに
抵抗があるとダメですし。
Zoikhem | 2007/Nov/3 23:12
>牛蒡様
ザイーガ様…
全然違うかと(汗)。
もっと詩情豊かです。
嫌いな言葉ですが『ブンガクテキ』。
衣装、以前は全然興味が無かったのですが、最近は少しずつ…
ダイ | 2007/Nov/5 22:51
Zoikhemさんの説明の中に「カフェの女中」の文字を発見。
これは明治〜昭和初期の香りがしてきて、興味を引きました。
早速、明日にでも近くの古書店に行ってみますかね。
Zoikhem | 2007/Nov/6 21:52
>ダイ様
まさに世界はアーリー昭和、です。
ダイ様であれば絶対にお気に召されると思いますよ。
T | 2007/Nov/20 08:17
うわあ。なつかしい。
このシリーズってまだ単発ででているのですか?
小学生のころはまってました。
初期の(?)シリーズは少年探偵ものじゃなかったですか?
たしか、帝都にせめよせる軍艦の海に拳銃一丁で立ち向かう
シーンが最終回だったような?
性別も女性だったり男性だったり話によって
ちがいますよね。
久々に読んでみたいなあ。
全部で何冊くらいあるのかご存じないですか?
Zoikhem | 2007/Nov/20 21:59
>T様
はじめまして!であっていますよね(汗)?
随分と長い沈黙の後で、一昨年から今年にかけて新作シリーズが刊行されていました。
それが、『幻想篇』『逢魔篇』『迷宮篇』の三巻です。
ところで怪奇編などの『大人』夢幻氏と冒険活劇編などの『少年』魔実也クン、は別人らしいです。
作者説明によると。
同名同能力の、でも別人。
という解釈のようです。
全部で何巻あるかは、判型にもよってきますので一概には言えません参考までに以下のリンクをご覧くださいませ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A2%E5%B9%BB%E7%B4%B3%E5%A3%AB
T | 2007/Nov/21 10:31
レス、ありがとうございます。
はじめまして、です。(笑)
会員になっていた時期もあるくらいお気に入りのこのサイトですが、
失礼ながらこのブログには最近気づきまして・・。
(まったく男というやつは・・)
筋少や高橋葉介など共通点をみいだしてブログも楽しむようになりました。
察するに同世代かもしれませんね。
参考ページありがとうございます。
どうやらおっしゃる、新作三巻のみ未読のようです。
本屋で探してみます。
九州旅行を最近されたのでしょうか?
遠い長崎より応援しております。
では、また。
Zoikhem | 2007/Nov/21 23:28
>T様
あやや、そうで御座いましたか。
スイマセン、もと会員様とは露知らず(汗)。
アダルトサイトの自覚の薄い駄文コーナーで御座いますが、また突っ込みやすい話題の時でもいじって頂けたら幸いです。
九州旅行は、今年の初夏です(汗)。
もう半年も前か、と我ながら愕然。
長崎は『家天首領』を舞台にしたシリーズも、そろそろMembersで公開の予定です。
実に楽しい旅でございました。
ちなみのZoikhemは三十路の初心者です(笑)。
T | 2007/Nov/22 10:51
あー、やはり同世代でしたかー。
となると、まるで大槻ケンヂの創作、ステーシーのような美しい、ChoyeさんをペットにもつZoikhemさんがますますうらやましく思えたり...。
ニーソックスとロッキンホースバレリーナだけを身につけた裸のChoyeさんがギターを持って..とかよく妄想します(笑)。
「家天首領」一瞬、韓国の映画タイトルみたいですね。
次に来られたときには車でご案内いたしたいところです。
ちなみにそろそろ牡蠣のうまいシーズンですよ。
公開、楽しみにしています。
それにあわせて会員復活しないとなー。
Zoikhem | 2007/Nov/22 23:34
>T様
再殺部隊は、世界で最も悲しく美しい歌曲の一つですからねぇ…。
カラオケで歌うと、最後の絶唱で必ず涙と格闘する羽目になります。
ニーソックスとロッキンホースバレリーナ!
いつかやりましょう(笑)。
ニーソックスだけは結構ありますけどね。
また気が向かれたら、会員棟にでも遊びに来てくださいませ(汗)。
Sticky | 2012/Oct/21 04:58
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