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『団』ではなく個々

弁護団』という認識で見ると、其の得体の知れなさや民意との乖離ばかりが目立ってしまうように思えます。
結果、判りやすさを求めすぎて『レッテル張り』という愚を犯してしまう事になりかねない。

そうではなく。
個々の弁護士として執り行ってきた事件の実績、発言や主張などを見ていくと、概念に近い(というか首魁の顔ばかりが浮かんでしまう)弁護団という括りでは掬いきれないものも見えてきました。
Zoikhem自身がレッテル張りに感染し、そのために見えていなかった『個々の顔』。

尊敬できる職業人、法曹人としての顔。
苦悩を持ちながらも、現実的に妥当な答えを探そうとする顔。
民意という巨大な風を前に、怯えを隠せないがあまり奇妙な強弁をする私人としての顔。

そして。
どう足掻いても、Zoikhemには理解できない、或いは理解した上でも嫌悪のフィルターを外しては直視できない顔も、矢張り其処にはありました。


まぁ、多少はレッテルをはがす事が出来たのではないかと、そう思いながら今日の判決を見たのです。


Zoikhemは今回の判決を支持します。

弁護方針が、死刑判断の決め手になったとは…
弁護団相手には正直『ざまぁ』とも思いますが、個々の弁護士の顔を見ながらだと其の無念さに多少の同情も沸いてくるZoikhemなのであります。
当然ですが、同情が一切湧いてこない顔もあります(汗)。

そうして、顔を眺めた後でも。
基本的に、Zoikhemは死刑の存在意義を重視している人間ですし、刑罰の根幹を『応報』に求めるような先史時代レベルの感覚の人間ですので、基本的には今回の
前例崩し
には大きく重く頷いています。

後は、最高裁が上告を棄却、で最終的に結審でしょうかねぇ…。


それにしても。
弁護団の『あの遣り様』には、職業法曹人としての彼らの立場を鑑みて少しだけは理解も示せるZoikhemですがこのような質問(特に4問目)も職業報道人としての彼らを尊重して理解する必要があるのでしょうか。
頷けないZoikhemです。

日本のクオリティペーパー『A』新聞記者 犯罪被害者を逆撫でするような不適切な質問

何時削除されるか判りませんけどもね(汗)。

被害者に聞く質問では有りませんよね、そもそも?
量刑を言い渡したのはあくまで、広島高裁の判事なのですから。
しかも名乗りもせずにいきなり質問を投げつけていました。
ルール無用の不意打ち。
それなのに、完全に論破されてますし(汗)

彼女の質問は
たった二人殺しただけの非行歴も無い少年を絞首台に送って満足?前例作って満足?
という意味にしか取れないんですけどねぇ。
しかも、質問相手が、其の被害者遺族。
はぁ。

そもそも、『慣例』という前例を崩した事こそが今回の判決の肝であるし、其れ(前例崩し)を目指して苦闘の九年を送ってこられたという方に
前例を作った
と断罪するとは…。
情実の機微を問う以前に、報道人として見識が低すぎる様に思えます。

永山基準はただの(と簡単に決め付けては語弊が有りますが)前例に過ぎません。
法文で決められているモノなどではないのです。

と書きながら報道ステーションを見ていたら、女性記者の質問を上手く編集してやがんの。


背中の花
ホテルの廊下。
これから夕食へ向かうために、エロスどころではないChoyeです(笑)。

仕舞
Zoikhem

Comments

Toris | 2008/Apr/22 23:40

殺したら殺される・・・
当たり前ですよね

生い立ちや、情状等…、色々在るのでしょうが、、
この、『ルール』、、、
肝に命じておかなくては…

いけませんよね

Zoikhem | 2008/Apr/22 23:51

>Toris様
殺したら、殺される。
殺されたくないから殺さない。

だからこそ、個々の自然権であるところの報復権を契約によって国家に代行してもらう。
原初期の社会契約論(の一部)でしたかね(汗)?

報復権を預けている以上は、後は粛々と行使して貰いたいとZoikhemは思います。
其れと、死刑賛成←→反対論は、また別の話題のはずですし。

鳩さんは口が軽すぎると思いますが、
判子を押す手も軽いのは結構な事ですな(汗)。

押し過ぎとか言って反対している方々は、現行法を理解したうえで、其れでもなお抗弁…
しているのでしょうねぇ。

ウェンリー | 2008/Apr/23 21:40

ご無沙汰いたしております。
思いっきり重いテーマですね、この間地元のラジオ『SCAN京都』で「終身刑の導入・アナタは賛成」とテーマでYES・NOのアンケートと理由を書き込んでもらい、死刑反対派の弁護士さんも来てトークバトルしていたのですが、終身刑導入賛成が多かったのですが、死刑を廃止して終身刑ではなく、死刑と無期懲役の間を埋める、仮釈放無しの終身刑を求める声が多かったですよ。
 それと昔・後藤田さんが法務大臣をしていたとき死刑執行の命令書に署名押印したことを記者に聞かれ『私は個人的には死刑は廃止した方が良いと考えるが、法務大臣を拝命した以上、死刑執行の命令書も、回ってきたら署名押印する。それも法務大臣の仕事だから』と答え、以後も在任中、命令書が回ってくると粛々と署名押印されていった。
 「死刑判決確定後何年以内に死刑執行しなければならない」と明文化されているいるんですから。

写真 Choyeさんの後姿にも、ほのかな色気を感じました。

下北沢 | 2008/Apr/23 23:57

死刑制度、確かに重い問題ですね、
「人権」「法の下の平等」「社会弱者の保護」、結局、これらの言葉は、「悪人」のためにある言葉なのでしょう。

私は、基本的に「目には目を、歯に歯を」の考え方の人です。
もちろん、殺人はすべて死刑とは言いません、情状酌量すべきはして、「無罪」もありだと思います、

犯罪者の人権を声高に言う人がいます。
被害者にも人権はあるのですよ。

犯罪者に法の加護を求めるものがいます。
被害者は、その犯罪者に法を踏みにじられたのです。

犯罪者は善悪を判断する能力が無かったといいます。
犯罪者は、周りの人も、医者も、役所も、警察すらも、日常生活に支障の無い者として認識され、普通に生活していたのですよ、隔離されていた病院から抜け出したわけではないのですよ。

冤罪、怪しきは被告人の利益に、
三浦元被告(変な表現)のように、仮に彼が真犯人だとして、彼は無罪、今回の被告は死刑
法が平等ではないと唱える人もいるでしょう。

では、「疑わしきは切る」の火盗改めの時代がいいのでしょうか?
所詮、ありえない平等なのですから、取り合えず、目の前の悪人を切る

結局、弁護士は、雇い主のためなら、ころもしろといいますし、平気でうそもつく商売人なのですよ、
ドラマのような正義をやっていたら商売になりませんからね〜


長々と駄文と連ねて申し訳ありません。(お題が今の状況にずばりヒットしたもので)

Zoikhem | 2008/Apr/24 01:14

>ウェンリー様
此方こそ、ご無沙汰しております。
故後藤田氏の逸話はZoikhemも聞いた事が御座います。
見習うべきところが多い方でしたねぇ。

法治国家の政治家が法律と無視しろと言い立てる、恐ろしい事です。
政治家として主張したいのなら法を変える努力をすべきであって、法を無視してまで主張したいのであれば、少なくとも政治を志すべきではないですから。

Zoikhemも、仮釈放を基調としない終身刑の設置には賛成です。

Zoikhem | 2008/Apr/24 01:28

>下北沢様
はじめまして、で合っていますでしょうか(汗)?

人権。
Zoikhemは天賦人権と言われるところの前国家的な自然権の存在を疑っています。
社会的な存在である人間に(たとえ国家と名乗っていなくても)、国家未満の状態は存在しないと思いますし、
仮に国家が存在しない状態で個々の人間が『真円である自然権』を有し主張するとしても、個人の権利は個人以外担保しえないと考えるからです(ありえなく短絡的に言うと)。

つまり、そもそも人権は天賦でもなければ無謬でもない、制約付きの『システム』或いは『方便』に過ぎないと、そうZoikhemは考えています。
尤も、この方便(自然権という発想自体がすばらしい)こそが人類の英知であり尊ぶべき物であるとも考えていますけども(汗)。

いずれにしても制約があるはずなんですよね。
そして制約は一様ではない。

犯罪者の人権は保障されるべきですが、其れは犯罪者としての制約に服した上の保障であるべきで、其れは被害者としての制約よりも其の保障はずっと小さくあるべきだ、と。

人権を『崇め奉り』あたかも神より賜った祭器であるが如く、扱うから奇妙な話になるんであって、人間が作り出したシステムであると理解すれば其れを使い良い(時代の要請などに従って)ように改善していくのは当たり前だと思うんですけどねぇ。

喩え、其の対象が憲法であっても、そう思います。
もちろん、必要に応じて最大限慎重に論を尽くして、の上での事ですけども。

死刑は前近代的だ、と反対される方がいらっしゃいますが、其の是非はともかく、現代が前近代に比べて疑いようも無くあらゆる意味で優れている、とでも確信されているのでしょうかねぇ?
大いに疑問だと思うのですけども(汗)。
『概ね』というのであれば、そうだと思いますけども。

弁護士は、まぁ、一つの職業で御座いますから(苦笑)。

Zoikhemこそ、意味薄く長くなってしまいました。

ダイ | 2008/Apr/24 03:06

今回の判決により、当時18歳と一か月の被告に死刑が適用されたわけですが、そもそも死刑適用に年齢制限みたいなものががあること事態がおかしいと思うのですが?

人の命を奪った事に変わりは無いのに、一定年齢以下だからというのは遺族の人たちからすれば「なんで?」ですよね。
「若いからこれからいくらでも更生してやり直せる」なんて何を根拠に言っているのかが、私には理解できません。

また、被告人の環境を理由に挙げる事がありますが、それでは同じような環境にある人たちが、同じような犯罪を犯すのかと言えば、それは無いわけで、理由にはならないと思うのですがね。

Zoikhem | 2008/Apr/27 23:22

>ダイ様
若いからやり直せる…確かに被害者の側からするとやり直したいのはこちら側ですし、根拠に欠けて聞える事でしょうねぇ・・・。

難しいところです。

環境論も含む、責任論を過剰に押し出す(責任を問えない範囲を大きく見積もりすぎる)現代の傾向はZoikhemは行き過ぎに思えます。
シャブ打ってから殺せば罪が軽いとか。
ふざけんなって感じですよねぇ?

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